栃木の山

四度、大佐飛山へ

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今年になってから登山を始めた同級生が居る。毎月飲み会をしていて、何を思ったか大佐飛山に行きたいという。残雪のこの時期しかないし、酒の勢いもあって二つ返事で承諾した。実は自分自身も持病の喘息があり、ちょっとばかりは躊躇したが、まっ行けないこともないだろうど山行を決めた。
ところがである、山を始めて3か月、当たり前といえば当たり前、スパッツ、アイゼン、ストックを持っていない。自分のを貸出しワカンを背負わせて。こっちはスパ長、スノーシュー、ピッケルを装備した。

4時、新登山口に取り付いた。中々ついて来られないので、途中から先を歩いてもらった。尾根筋になると雪が出だしたが途切れ途切れであり、しばらくはツボ足て大丈夫だった。三石山先の尾根筋は雪庇の連続となった。山藤山の急勾配もステップが切ってあり楽に登れるが、休み休みとなる。黒滝山まで3時間半、大佐飛山までが6時間45分。ほぼ想定通りの時間だった。戻りは脱水気味でばてまくったがどうにか4時間30分で下山した。
昼食休憩を入れて全行程12時間の初めてのガイド登山でした。

三度、栃木最深部の大佐飛山へ

2008/10/12に塩那スカイラインから激藪の中を初登頂し、2009/04/12には残雪を踏んで山頂に立った。今の時季は残雪を使っての山行が中心となるが、冬型の気圧配置となりこの週末は荒れ模様が予想された。ギリギリまで粘って山ラン未ケットの大佐飛山へ行くこととし野球親爺さんに声を掛けた。もちろん二つ返事で同行が決まった。待ち合わせの4時半前に新登山口に向かうが、荒天を嫌ったのだろうかクルマは一台もない。平地での小雨は巻川林道では雪へ変わっていた。

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予定通り4時半過ぎにアルミハシゴに取り付いた。林地の急勾配の枝尾根を一気に200m余り上げると百村山先の残雪の尾根筋となる。しかし残雪は途切れがちで始めは夏道を歩き、急勾配を上がった先の三石山で明瞭な雪庇となった。ここで野球親爺さんがアイゼンを装着したが、僕はいつものようにスパ長なのでその必要はない。サル山、山藤山とピークを越えると登り返しはかなりの急勾配となる。黒滝山の手前の急勾配は二段に張られたロープは中途半端な位置にあり、足元の確保に気を使いながらの登攀となった。それでも登り上げるほどにピーカンの青空のもと絶景が広がり、カメラを片手に立ち止まることが多くなる。ほぼ3時間で黒滝山となった。写真左は急勾配の斜面を先行する野球親爺さん、中央は登り来た尾根筋、右は黒滝山山頂から見た鴫内山の稜線

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この先はほぼ平行移動で大した上り下りは無いので絶景を楽しみながらの尾根歩きとなる。 西村山へのコース取りは尾根筋が広がり、鴫内山方向からの枝尾根と合わせたりするので少しばかり戸惑う。この先は東側に那須連山~福島県境の峰々、さらに眼下には塩那道路も見えてくる。そして最後のプレゼントは大長山を過ぎてやってきた。待ちわびた大佐飛山が雪尾根の先に雄姿を現した。今朝まで降っていた新雪に真新しいトレースを刻み、何とも爽快な贅沢な時間だ。鞍部から緩やかに登り返すと見覚えのある山頂となった。登山口からほぼ6時間だった。写真左は那須連山~福島県境の峰々でその間に旭岳が見える、中央は西から南西方向の高原山、右は雪尾根の先の大佐飛山

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下りは、トレースを忠実に辿ったが、西村山には鴫内山方向からのスノーシュートレースが続いていた。また黒滝山からの急勾配の下りでこの日唯一の単独者と出会った。黒滝山で雪洞幕営するとのことだった。その後は順調に下り、往復10時間30分の楽しい山行を終えた。写真左は大佐飛山山頂、中央は大長山への登り返し

梅雨空の中、比津羅山へ

つくば100キロウォークから4日、まだ足の肉刺も筋肉痛も万全ではないが、足慣らしのつもりで比津羅山へ出掛けてきた。


登山口となる小山氏宅横の鳥居をくぐると、しっかりした踏み跡が続き22分で鉄塔となり林道に出た。林道は比津羅山から南に伸びる尾根筋の枝尾根を切り通しており、直ぐに枝尾根に取り付いた。尾根筋には踏み跡があり、しばらくすると九十九折りとなった。尾根筋には直登する踏み跡があるが急勾配なので九十九折りを辿る。この踏み跡は地形図を見ると日留賀岳へ続いており、比津羅山を目指し尾根上に上がった。ここからは尾根筋の踏み跡を忠実に辿り、三角点標石のある1187.3Pとなった。実際の高点は三角点より北東200mの位置にある。戻りは往路をピストンした。登り59分、下り42分。写真左は尾根筋の踏み跡、中央は比津羅山山頂で三角点を利用してアンテナを立てる

鉄塔巡視路から百村山

栃木の全山は登り終えたが、山ラン未ゲットの山が7つ残っている。今朝はその一つに登ってきた。昨夜は野球り練習があったので、いつもの"花"でたっぷり飲食して、酒の勢いで車中泊を決め込んだ。3時間余りの睡眠でまだアルコールが完全には抜けていないようだったが、夜明け前に登り口となる木ノ俣林道に向かった。百村山登山口から取り付く予定だったが、いつもの怠け癖が出て鉄塔巡視路まで来てしまった。やっぱり近いに越したことはないw

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巡視路入口手前は工事中で足場用階段の登り口にはトラックが置かれていたので、少し離れたところにクルマを停めた。階段を上がるとほどなく枝尾根の急勾配か始まった。鉄塔巡視路なので木段が作られ、手摺代わりにトラロープが張られていた。10分で尾根筋の登山道に合流すると西に方向を変える。緩やかな登りで始まり、勾配を増すとカタクリの自生地となりほどなく山頂となった。山頂には3等三角点と大きめの山名板が下がっていたが、立木の中で眺めはほとんどない。往復42分。写真左は取り付いた急勾配の枝尾根、中央は山頂

松木渓谷から国境平~三俣山、黒檜岳、大平山を周回

烏ヶ森の住人さんの「松木渓谷から三俣山~大平山周回」を見てから、この山域はこのルートをなぞると決めていた。一番の課題は未体験ゾーンの松木渓谷で、それも日帰り周回のためには暗がりでの沢歩きが求められる。そんなわけでスタート時間を午前2時として銅親水公園の駐車場で横になった。

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気が高ぶり寝付くことができず1時25分、少し早目の出発となった。足元はいろいろ考えた末にスパイク長靴とした。旧松木村跡を過ぎ大ナギ沢を渡ると極端に道は荒れだし崩落の連続となる。出来るだけ河原は歩きたくなかったので必死で落石を乗り越えた。スタートから約2時間で薙のような大崩落地帯となり完全に道型は消え、踏み跡は河原に続いていた。ほどなく流れのそれとは異なる水面を叩く音に包まれると目の前に堰堤(松木川6号ダム)が現れた。2段の堰堤でライトの明かりだけでは薄暗くてどちらを巻けば越えられるのか見当がつかない。最初に右岸に取り付いたがとても上げれる傾斜ではなく、左岸側に行くが長靴への浸水はまぬかれない深い流れだ。そうこうしているうちに空が白みだし辺りが見えだしてきた。左岸の堰堤2段目にステップが付けられているのが見えてきたので、右岸から一段目に上がり堰堤を横切り2段目に上がろうとした。ところが高さ1m位のコンクリート壁3段の足掛かりがスパイクのためグリップできず、仕方なくコンクリート壁の右側の斜面を灌木に掴まりながらよじ登ると、2本のトラロープが下がり2段目に降りることができた。ここからはステップで堰堤を越え、直ぐに2つの沢(三沢、小足沢)を相次いで渡渉したが、このダム越えで30分も費やしてしまった。やっとライト無しでも歩けるようになってくると松木川の様相がつかめて来る。両岸は次第に近付き流れは細くなるが、その分勢いを増してくる。大きな石がゴロゴロと無造作に並び歩き難いばかりか、切り立った岸壁に遮られて渡渉を繰り返すことになる。長靴とはいえどざぶざぶと渡れるほど浅くもなく、渡渉地点を探すために行き来を繰り返した。5時を少しばかり回ったところで、前方左岸(進行右側)を駆け上がるシカの群れに遭遇した。右岸に黄色いペンキで4-22と書かれた辺りまで来ると左岸が張り出して再び渡渉に迫られた。無理して渡渉してもどうせこの先も同じだろうと、シカの踏み跡を追って左岸を高巻き気味に上がった。枝尾根に上がると緩やかな傾斜な尾根筋となり、地形図で確認すると前方の1236Pを右側に巻けば、そのまま稜線が国境平まで続いているようだ。不安の中歩き続けると左手に地図には無い沢が出て来る。沢を左に見ながら登ると二股となり、進行左手の枝沢に沿って歩き、源頭部付近でハイドレーションシパックを満タンにした。この先はしっかりした尾根筋で1200-1400mの間は多少勾配はきつくなるが、灌木などの薮は無く疎林の中の歩きとなる。植生はダケカンバ林となり、木立の間からは庚申山~皇海山が次第に大きくなってきた。前方右手に日向山が捉えられるようになると一面の笹原となり一登りで国境平となった。写真左は松木渓谷の先に見えてきた朝焼けした皇海山、中央は取り付いた直後の痩せ尾根、右は国境平への手前の笹原

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国境平からは県境の笹尾根を北上し日向山を目指した。尾根筋には所々に残雪はあるものの快適な笹尾根となっており、小さなピークを越えて高度を上げると後方に遠ざかる皇海山が次第に全容を現し逆に大きく見えてくる。いろんな方角からこの山を見ているがここからの皇海山が一番かもしれない。ほどなく日向山となったが、ブリキ製の案内板の中央に申し訳程度に日向山と書かれていた。写真左は日向山手前から見た皇海山方向、中央は日向山のブリキ板、右は辿り来た松木渓谷で左に見えるのは大平山

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この先も笹尾根は少し続いたが、1736Pを右巻きに通過するころになると様相が一変する。県境尾根は峡稜となり栃木県側は急峻な崖が続くようになる。1828Pの奇岩を終始眺めながら群馬県側に外し気味の踏み跡を辿ると、1828Pのピークを左に巻き、残雪の笹原を少しばかり登ると大ナラキの頭となる。ここにはブリキ板が5,6枚下がっていたが山名は無く、手持ちのマジックを取り出して一枚のブリキに山名を記した。写真左は1828P手前の痩せ尾根、中央は登り来た県境尾根、右は大ナラキの頭の赤いプレート群

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次の三俣山へは1847Pを越えることになるが、一度100m近くを下げ、再び登り返す100mはかなりハードで立木に掴まりながらの登坂となった。やっとのことで1847Pを越えるとしばらくはなだらかな尾根歩きとなるが、ほどなく腰丈ほどの笹原となる。この笹原が以外と勾配があり、小さな肩を挟んだ2段階の登りは青息吐息でのクリアとなった。写真左はこれから登り行く三俣山への尾根筋、中央は1847Pへの急な登り、右は三俣山山頂

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三俣山を過ぎると残雪が増えだしてくる。それでもまだ9時台と時間も早いこともあり、踏み抜くこともなく次のシゲト山を目指した。この間は距離はあるものの下り勾配となり、それほどのアップダウンもないので軽快な歩きとなった。特徴的だったのは半ばを少し過ぎた辺りの1928P手前の大岩で、岩の上にはシャクナゲが見えていたが左へ巻いて難なく通過した。シゲト山への最後の登りとなった1800mの肩で屋根の落ちた石祠を見かけ、3mばかり下に落ちていた屋根を持ち上げ石祠を復元した。石祠は西を向いていた。ほどなくシゲト山となったが、何処がピークなのかはっきりしないような山で、山名板でそれと分かるような山だった。木立があるので眺めはさほど良くないが、南側の足尾の山~皇海山、北側の錫ヶ岳~白根山を共に見ることができるビューポイントの尾根筋である。写真左は石祠手前から見えた皇海山と登り来た県境尾根、中央は復元した石祠、右はシゲト山山頂

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黒檜岳へは少しばかり下ると一転して登り勾配が続く。この間は倒木が多く残雪も再び多くなってきて、時間の経過とともに踏み抜きも多くなり歩き難い。少しで楽をしようと1919Pを右に巻き辛抱して歩き続けた。尾根筋にはシャクナゲが所々で見られるようになりその度に踏み跡は北側に外して続いていた。いよいよ山頂が近付くと尾根筋は広がり、さらには点在する残雪でコース取りにちょっとばかり難儀した。GPSのピーク表示から180m程前で山部さんの山名板が下がる黒檜岳となった。栃木百名山での登頂の折にはこれより東側にある山名表示でゴールとしたので、これが野球親爺さんの言うもう一つの山頂だなと合点した。写真左は尾根筋のシャクナゲを避けて続き踏み跡、中央は山部板の下がる西側のピーク、右は行政板が立つ東側のピーク

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東の黒檜岳まで来ると、残雪につぼ足トレースが残っていた。真新しいもので見たところ一時間以内のような気がした。はたして何処から来たものなのか、そして何処へ続くのだろうと考えながら歩くと、どうみても自分と同方向の大平山なのである。これを幸いとトレースを追うが、あまりもの残雪の踏み抜きにうんざりし、1954P手前でトレースを離れ西側を進んだ。それでも1954P近くまで来ると再びトレースと出合いそのまま追うように歩いた。ほどなく残雪帯を過ぎ笹原の登りとなると直ぐに大平山山頂となった。二等三角点と山部さんの板を含め3枚の山名板があった。南側の展望は素晴らしく山肌を露わにした足尾の痛々しい山並が広がっていた。もしかしたら先行者を捉えることができるかと下り行く笹尾根を凝視したが人影は見つけられなかった。写真左は1954P手前の残雪帯、中央は大平山山頂から見た下り行く尾根筋、右は大平山

IMGP2354IMGP2361110515松木渓谷周回
下山はたおやかに下る南東尾根の笹原を選んだ。途中の1805は本日最高のビューポイントとなり、足尾の山並から皇海山、さらには国境平から日向山への県境尾根が捉えられた。興味深かったのは松木渓谷から国境平までのルートが、実際に辿った尾根とともに予定していたモミジ尾根のルートが並んで見えたことだ。うーーん、今日のルートもあるなw 一転して北を見ると登り来た大平山の右手には格好いい社山が見え、その間からは男体山が顔を覗かせていた。もちろんさらに東には半月山も望める。順調に笹尾根を下り1356で林道と出合い、長い林道歩きの末に銅親水公園に戻った。スパイク長靴は松木川の遡行、残雪の残る山歩きにはほとんど重さも気にならなかった。ただしコンクリートの林道歩きでは足底の痛みに悲鳴をあげたw 写真左は下りの笹尾根から見た国境平への尾根筋(ズームしてる)、中央は下り行く笹尾根で松木渓谷や足尾の街並みが見える

銅親水公園駐車場(1:25)→枝尾根への取り付き(5:02)→国境平(6:23)→日向山(6:41-6:52)→大ナラキの頭(7:50-8:02)→三俣山(8:58-9:15)→シゲト山(10:39-10:53)→黒檜岳(11:48-12:02)→大平山(12:51-13:08)→林道出合(14:15)→銅親水公園駐車場(15:57)

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