2014年07月

埼玉の山、天理岳(1150m、両神山)、スズノ頭(1306m、両神山)

一週回前に表参道から三笠山、二子山を周回した。今回は同じ登山口から天武将尾根をスズノ頭までピストンすることにした。この尾根筋は狭稜の岩尾根で、岩壁の降下もあるとのことで20mザイルを携行し、5時30分に登山口に入った。

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両神山荘前から奈良尾峠への案内に従って両神神社里宮の狛犬の前を行くとお堂となる。この時点で取り付きを行き過ぎたようで、結局その先の林地を直登し尾根筋の順路となった。ほどなく尾根筋を外れトラバース路となるがザレ斜面でとにかく歩きにくい。奈良尾峠からは905Pで尾根を合わせさらに高度を上げるが、1000を過ぎた辺りから狭稜岩尾根となりナイフリッジとなった岩稜をそのまま越えて行く。時には北側を巻く場面もあったが、ほとんどは痩せ尾根上のアップダウンの繰り返しとなり緊張の連続となる。1083Pを過ぎるといよいよ最後の登りとなり、山頂直下のクサリ場を攀じ登ると祠のある天理岳となった。両神山や一週間前に歩いた三笠山~二子山の稜線の展望が広がる。写真左は痩せた岩稜尾根、中央は山頂直下のクサリ場、右は天理山山頂

P7240066P7240059140724天理岳・スズノ頭
北峰の石祠を確認してそのまま西へ急斜面を下ると短い区間だが笹薮となった。 やはりここからも岩稜地帯であるが踏み跡はしっかりしている。1145Pを過ぎるとほどなく大岩の直上となり行き場を失った。北側を見ると大岩に沿って下る踏み跡があり、慎重に降りると細引きでも使いたいような岩場の下降点となった。どうにか通過したがこの間の5分間くらいは極度の緊張を必要とする場面だった。このあとは勾配はきついが尾根筋は広いので難なくスズノ頭となった。両神山~東岳~西岳の展望を楽しんだあとは往路をピストンした。往復6時間10分。 写真左は急勾配の岩場、中央はスズノ頭

埼玉の山、三笠山(1410m、両神山)、エビ蔓ノ頭(1351m、両神山)、二子山(1370m、両神山)

両神山系の山は難ルートばかりで今回も計画段階からかなりの厳しさが想定された。いくつかの山行記録を見つけたがその何れもが厳しそうな文言が並んでいる。そんな中で725Pから二子山~三笠山~清滝小屋と周回出来そうだと計画し日向大谷へ向い5時過ぎに着いた。流石百名山、平日のこの時間に登山者に会うことは他の山ではまずないが、ここでは支度をしている間に3人もの単独者が先行していった。

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日向大谷の登山口を上がり両神山荘の前を抜けると、ほどなく沢の音が聞こえだす。725Pへ取り付くためには沢へ下降しなければならないが、沢の反対側は急斜面で早々に予定を変更し清滝小屋へ向かうことにした。何ヶ所かで分岐しながら次第に高度を上げ、先行する単独者を追い越しながら行くと清滝小屋となった。ここからは一位ガタワに向かうのだが、この先は登山道としては管理されていないので案内なんてものは当然ない。両神山への案内に背を向けて小屋の前を行くと薄い踏み跡がある。廃道につき立ち入り禁止との表示があるが恐るおそる入ってみると大岩に突き当たった。ガレた斜面を見上げると上方に落石注意の看板が見えるので、ここを上がることに違いはないと適当に攀じ登ると一位ガタワとなった。そこはトラロープが放射状に張られていてなにやら物々しいところだ。尾根筋に上がると次々と石像が現れ、1418Pの3体の石像を過ぎ、鞍部から登り返すと三笠山となった。写真左は一位ガタワで露岩が進行方向、中央は三笠山までの石像の数々、右は三笠山の石像

P7170026P7170029140717三笠山・エビ蔓ノ頭・二子山
ここからの下りはかなり急なのだが灌木頼りに慎重に下り、 時折り現れる岩稜を適当に巻きながら進んだ。それなりに危なそうなところもあるが、踏み跡を丹念に辿れれば問題になるところはない。あっという間に何の目印もないエビ蔓ノ頭となった。写真左は大岩の左への巻き道の起点、中央はエビ蔓ノ頭

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さらに東へ進むが尾根筋は拡がり快適な歩きとなる。 狭稜地帯もあるが灌木を手掛かりにのんびり歩いた。ほどなく二子山南峰手前の大岩となり、右側からチムニー状の急斜面を上がり再び尾根筋からひと登りすると立ち木に覆われた南峰となった。次の北峰へは登路を少しばかり戻り、大岩を東側から巻き鞍部へ降りる。見上げればしっかりした岩稜だが、手掛かりもあり難なくピークとなった。写真左は南峰手前のチムニー状斜面、中央は南北の鞍部付近から見た北峰、右は北峰から見た南峰

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さぁー下山である。往路をピストンすることも考えられたが、ここまで来たら725Pに向かって下りる以外の選択肢はなかった。ダメなら引き返せばいいやと下り始めたが、その覚悟はあっという間に 消え去るほどの急勾配の下りである。灌木を頼りに慎重に下ったが、こんなとこ登り返すなんてまっぴらと言うほどの急勾配なのだ(笑) 途中で枝尾根に引っ張られたり、大岩で巻いたりしたが薄いが踏み跡は続き難なく725Pとなった。ここから薄川への降下も心配したほどでなく、渡渉後は釣師の踏み跡をたどると日向大谷の駐車場へ出た。20m細引きを忍ばせたが使うことなくどうにかクリアできた。6時間での周回だった。写真左は二子山北峰からの半端ない急勾配、中央は尾根筋をふさぐ大岩、右は薄川への降下点

埼玉の山、狩倉山(1625m、両神山)、東岳(1660m、両神山)、西岳(1613m、両神山)、

両神山系の山は主峰以外はまだ未踏である。どうも危険地帯との情報ばかりが目立ち足が向かずにいたが、踏破せずには先に進めないので行程の短そうな狩倉山に行くことにした。ネットを探ると南側の長栄橋を起点に周回する山行記事が多いがどうしても行程が長く、最近山から遠ざかっている我が身ではタイムオーバーが懸念された。そこで地形図を眺めていると赤岩岳の登山口であるニッチツ鉱山の辺りから狩倉尾根1435Pに通る尾根筋を見つけた。ここからなら行程も短く高度差も少ないと考え、再びネットを探るとこの尾根筋から狩倉山、横八丁、両神山、落合橋と周回している記録を見つけた。ただし1200m先の岩稜は直登を余儀なくされるとのことで、下山のことを考えハーネス、エイト環、20mロープを背負い、足元は迷ったが履きなれた長靴にした。万が一に備えヘルメットを被っているのでなんとも妙な格好である(笑) 6時40分、ガスで見通しのない中をスタートした。

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橋の袂から尾根筋を見上げると上方に廃屋が見える。数棟続く朽ち落ちた廃屋を縫う様に急ぎ足で上がると谷合の沢筋となる。薄いが踏み跡があるのでしばらくは沢筋を辿り、谷合が狭まる前に目指す右側の尾根筋に這い上がった。藪もなく軽快に上りゆくが、1250近くまで来ると情報通りのほぼ直立する岩稜が行く手を塞いでいた。左右には巻けないとのことなので、意を決して岩場に手をかけた。次々に手がかりを探し、戸惑うことなく一気に突破した。しかし登り来た岩壁が真下に見えた時に達成感より下りのことが頭をよぎった。この後も急登は続くが特に危険な箇所はなくアンテナの建つ1435Pとなった。ここからは尾根筋の踏み跡は明瞭となるが、決して楽とは言えない登りが続き狩倉山となった。朽ちそうな標石がある山頂で、フジオカTKのテープだけが下がっていた。写真左は1250付近の直登岸壁、中央は1435Pのアンテナ、右は狩倉山山頂

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ここまで約2時間、狩倉槍ヶ岳~横八丁~大笹の悪場が不安ではあったが、ピストンすれば急降下の岩場も気になり、一気に両神山から東岳、西岳、八丁峠へと周回しても時間的には行けると判断し先に進むことにした。狩倉山から東へ少しばかり行くと突然急な下りとなり、鞍部が真下に見えてきた。滑ったら大変と木の根を手掛かりに慎重に降りた。もうここを降りてしまったら後戻りはできないと、次々に現れる岩場も踏み跡とテープを追い進んだ。立ち木で視界がないためか大した高度感も感じることない山頂でちょっと大きめの標石だけの狩倉槍ヶ岳だった。鞍部まで岩稜を降りると鞍部から先は左右に切れ落ち、スリル感たっぷりの岩尾根となり小さなアップダウンが1km近くも続いた。なるほどそれで横八丁かと感心しながら歩いたが、1683Pを目前に岸壁で行く手を塞がれた。巻き道を探しテープを見つけるが見当たらない。左側に巻けそうな感じもしたが進んで戻れなくなる恐れもあると直登を決めた。わずかに手掛かりはあるがストロークが長過ぎるので3点支持が危うい。スリングを取り出し、直上の立木で支点確保し3ピッチ10mを登り切った。その後は大笹でしっかりした踏み跡と合流し、ほどなく白井差からの登山道と合わさると見覚えのある両神山となった。二度目なので早々に通過し次に向かうが、横八丁を来たためが大した危なさも感じることなく東岳となった。写真左は振り返って見えた狩倉槍ヶ岳、中央は横八丁の岩尾根、右は東岳山頂

P7030070P7030074140703狩倉山・東岳・西岳
ところがこの先は様子が一変し、クサリ場の連続なのである。はっきり数えてはいないが、長短の差こそあれ15か所くらいはクサリが下がる急な岩場が続いた。横八丁はクサリは無くても越えれたが、この間はクサリ無しでは到底上り下りのできそうにない岩場の連続だった。ストレスが溜まる一方で西岳山頂に着いた時は疲労困憊といった感じだった。写真左は連続するクサリ場、中央は西岳山頂

ここから八丁峠までも相変わらずのクサリ場で、両神山に登るのにここは使ってはいけないルートのように思えた。金を払うのは何ともしゃくではあるが白井差ルートの安全性に軍配が上がるのは仕方がないことかもしれない。上落合橋から車道を歩き7時間30分で周回した。

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