先月この近くの山に行ったら山ヒルの餌食になってしまった。大分気温も下がってきたのでもう大丈夫だろうと出掛けることにした。ネットで稲包山を検索したら、どの記事にも山ヒルのことが書いてある。コースは赤沢スキー場から赤沢山へ登り、尾根伝いに稲包山へ、さらに県境尾根を縦走し三国峠へ降り、法師温泉を経由し周回することとした。

  
赤沢山(1454m、四万)へは万座林道を行き、途中から上信越自然遊歩道に入り四万温泉方向に進むのが順路であるようだが、周回を考え赤沢スキー場にクルマを置きスタートした。林道を辿らずスキー場のゲレンデを直登したが、これが急勾配の上にブッシュが邪魔して悪戦苦闘となった。こんなとき必ず思うのが「急がば回れ」(´・ω・`;A) やっとのことでゲレンデを登り上げ、直上の林道に降り立つと緩やかに勾配を下げ、上信越自然遊歩道の取り付きとなった。遊歩道は入り口を含め何ヶ所で崩落していたが、トラバースしながら緩やかに高度を上げて行く。途中で一度下り勾配となるが、それも僅かな間で頭上を送電線が横切るようになると九十九の登りとなる。すると鉄塔巡視路への分岐が続き、ほどなく赤沢峠となった。峠には東屋が建ち、遊歩道は赤沢山を西に巻くように四万温泉方向に伸びていた。赤沢山への尾根筋は胸丈ほどの笹とシャクナゲの混合薮となっていて明らかな踏み跡はない。一旦は遊歩道をそのまま進んだが、諦めて引き返し薮に突入した。薮と格闘すること20分、笹に覆われた山頂に着いた。三角点標柱と見慣れた山名板が下がっており、反対側には赤テープが下がっていた。ここまで3時間近くを費やしてしまった。写真左は林道から上信越自然遊歩道の取り付き、中央は赤沢峠からの尾根筋の密薮、右は赤沢山山頂

  
稲包山(1598m、四万)はぐんま百名山の一座で新潟県境にほど近い。赤沢山から薮中を赤沢峠まで戻ると、尾根筋にはしっかりした踏み跡が続いている。直線距離で3km弱の軽いアップダウンの尾根筋をのんびり歩いた。数ヶ所でクマの糞を見かける度に「クマよ来るな!!」と大声を出しながら、もしもの時にはせめて一撃ぐらいはと右手に持ったピッケルを握り締めた。紅葉に見入り、写真を撮りながら登り詰めた山頂には先客がいた。とにかくここからの眺めは圧巻で、今迄に登り来た群馬の山々が全方位に見渡せる。赤沢山から2時間。写真左は赤沢峠の分岐、中央は登山道の途中から見えた稲包山、右は稲包山山頂

  
キワノ平ノ頭(1511m、三国峠)へは尾根伝いに一条の登山道が見え、笹は刈り払われ快適な県境の稜線歩きとなった。2度3度と小さなアップダウンはあるが左程高低差は無く、下り勾配でもあり順調にピークとなった。こんな所に山名板はないかと思っていたが、行政の標柱が建ちそれと教えてくれていた。稲包山から1時間10分。写真左は尾根筋に続く一条の登山道、中央はピーク手前から見たなだらかなキワノ平ノ頭、右は山頂

  
長倉山(1440m、三国峠)は三国峠へ向かう途中のピークで、この間も登山道は刈り払われていて何ら問題はない。ピーク手前、200m位で送電鉄塔を通過すると勾配はひとしきり急となり、ほどなく山頂となった。場合によっては下山ルートを南へ向かう尾根筋、もしくは鉄塔の巡視路とも考えたが、この時点で16時近くなっているので三国峠へ降りることにした。ちなみに南え向かう尾根筋には法師山と言うピークがあるが、それらしき踏み跡は見当たらなかった。キワノ平ノ頭から45分。写真左はキワノ平ノ頭近くからの長倉山、中央は長倉山山頂

それぞれのピークで無線に手間取ってしまい、三国峠から三国トンネル(国道17号)へ降り、上信越自然遊歩道を法師温泉を目指して歩く頃にはヘッ電頼りの夜道となってしまい、計12時間、22kmの山行はバテバテの帰還となった。法師温泉に戻り汗を流し、途中でラーメン、SAで仮眠、等々で家に戻ったのは24時近くだった。