最近は山梨・神奈川・静岡の県境近くの山に通っている。今日は中央道の上野原ICから大月ICの南側に沿う山並を縦走してきた。三杉山からの下山口を神野地区と設定し、バイクをデポし登山口となる田野倉に着いたのは22時を回っていた。地図の破線の位置近くに駐車余地を見つけ眠りについた。


長丁場となるので、夜明け前に用水路を横切るコンクリート橋を上がると、直ぐに赤い社のある広場となる。その山岸には巾7~8mの大きな用水路(発電所用の導水路らしい)があり金網とコンクリートで覆われていた。用水路際をライトで照らしながら登山口を探すと、コンクリート蓋の向こう側に案内板らしきもの見つけた。近づいてみると九鬼山への登山口であり、破線と一致するのでここに取り付いた。踏み跡はあるがほとんど歩かれていないのだろうか藪化一歩手前なのだ。夏草や小枝、さらには蜘蛛の巣が邪魔をする。急勾配を30分で植野山となると尾根筋は緩やかとなりほどなく九鬼山への分岐となり、猿橋に向かって5分ばかり進むと馬立山となった。分岐まで戻り急な尾根筋を下ると札金峠となるが、九鬼山への登り返しは高度を上げるほどに勾配を増し、ピーク手前では左にトラバースし北東尾根へと取り付いた。この尾根筋もかなりハードだったが、必死に登り九鬼山山頂に立った。二等三角点峰で北西方向のみ僅かに視界はあった。写真左は用水路の上にやっと見つけた登山口、中央は馬立山手前から見える九鬼山、右は九鬼山山頂


山頂にはコースタイムを書いた案内板があるが、設定コースの中間点である高畑山まで4時間30分とある。そのペースだと明るいうちに下りられそうにないので先を急いだ。次の鈴ヶ尾山までは長い尾根歩きとなるが、下り勾配なので軽快に歩けたが、藪化と蜘蛛の巣には難儀した。山ラン有効ポイントではないが高指、桐木差山の二つのピークを過ぎると車道となる。ここが鈴懸峠で、車道をそのまま歩けば高畑山との案内がある。しかし目指す鈴ヶ尾山は逆方向にあり、取り付きを探すと切通しのコンクリート壁に沿って上がる踏み跡を見つけた。灌木を手掛かりによじ登ると切り通しの上に鈴ヶ尾山への案内板があり、尾根に出て左へ・20分と書かれていた。その通りスギの植林地を直登し尾根を左に少しばかり行けば鈴ヶ尾山山頂となった。そのまま尾根筋を戻り、直進すると再び車道となり突坂峠となる。車道を横切り、踏み跡に取り付くがこの勾配は半端ではない。小さなピークを一つ越え200m余りを一気に上げやっとのことで大桑山山頂となった。次の高畑山へは途中の小ピークを越え、ちょっとばかり登ると20分ほどで着く。ここまでの道すがら3つの頂のある山が見え隠れしていたが、ここに来てそれが大桑山~高畑山だということに気付いた。写真左は鈴懸峠の切り通し上の鈴ヶ尾山への案内板、中央は大桑山の先から見えた高畑山、右は高畑山でこの方向には富士山が見えるらしい


次は本日2つ目の関東百山・倉岳山だが、高畑山からゆっくりと鞍部まで下り少し登ると天神山となる。ここからは北側に視界が開け、猿橋の街並みやこれから登り行く倉岳山の稜線が見えてくる。天神山からは少し下ると穴路峠となり、再びきつい登り返しとなった。額からは玉のような汗が流れ落ち、ハイドレーションを何度も口にくわえ水を流し込むがとても間に合いそうにない勢いだ。息を切らせやっとのことで倉岳山となると北側には絶景が開け20分の長休みとなった。次のポイントに向けて急坂を下ると立野峠となるが、この間で4組のパーティーとすれ違ったが、今日出会った登山者は後にも先にもこの4組だけだった。写真左は天神山手前から見た倉岳山、右は倉岳山山頂


立野峠からひと登りで細ノ山となるが、この山頂には表示は見当たらなかったがそれに代わる絶景が南側に広がっていた。それは秋山二十六夜山とその後方の3週間前に縦走した赤鞍ヶ岳~御正体山などの道志の山並だった。この先は下り勾配となり、途中軽く登り返すと鳥屋山と書いた山名板が下がるピークになる。目標のトヤ山はまだ先なので、構わず先を急ぐと急な上り返しとなり、100m余りを必死に登り切るとそこには舟山(818m)と書かれたテープが木に巻かれていた。しかし山名事典ではこの場所をトヤ山と表記している。トヤ山を下ると寺下峠となり再び急な登り返しとなったが、10時間、20km近くを歩いてきた体は重くペースは落ちる一方であった。それでもどうにか矢平山に辿りついたが、ハイドレーションの3Lを飲み尽くしリザーブの1Lを残すのみとなっていた。この先は旧大地峠、甚ノ函山、三杉山と大した登り返しもなく順調にクリア出来たが、誤算はこの後に訪れた。あとは下るだけだと思って選んだ三杉山から東に伸びる尾根筋は予想に反しアップダウンのある藪道で中々高度を下げてくれない。どうにか神野の下山口に向かう尾根筋に乗ったまでは良かったが藪と蜘蛛の巣が邪魔をして中々ペースが上がらない。2kmを下るのに1時間20分もかかりやっとのことで神野の車道に降り立った。今日のルートには名のついた峠が7箇所もあり、1000m以下の低山の縦走にしてはヘビーなものとなった。写真左は細ノ山から見えた秋山二十六夜山、中央は矢平山手前の急登、右は甚ノ函山の山頂部で平坦なスギ林の頂部

100905九鬼山・倉岳山縦走1100905九鬼山・倉岳山縦走2