雁ガ腹摺山の名の付く山は3つある。9月の連休に出掛けてきたのが、笹子雁ガ腹摺山と牛奥雁ガ腹摺山で、今回はただの雁ガ腹摺山だ。この山は旧500円札のデザインで有名になった富士山の絶景ポイントなのだ。大峠からだと2時間弱でピストンできるようだが、山ランポイント大量ゲットを目指し周回で巡ることとし、樽ノ木尾根に瀬戸地区の金竜寺から取り付くこととした。前日からの雨も午前中は降り続くとの予想だったが、この連休を逃すと年内に再アタックのチャンスはないと判断し雨中決行となった。


5時38分、雨の降る中、金竜寺の駐車場を出発した。この寺の裏手からの尾根筋が尾越山に真っ直ぐに伸びている。そこで寺の裏手の墓地から尾根上に取り付こうとしたが、はっきりとした踏み跡はなく、背丈を越える密藪を掻き分けて20m余り登ると稜線上の作業道となった。ただし道型は完全に崩れ廃道化しており、倒木と灌木でとても真っ直ぐには歩けない。踏み跡も薄く、稜線を外さぬように必死に登るとNHKのテレビ中継用のアンテナ(672P)となる。ここからは踏み跡はしっかりしてきたが、登り一辺倒の単調な急勾配となり、雨具の中では汗が溢れだしてくる。それでも尾越山、水無山とどうにかクリアすると、次は大峰への登りとなる。この間は2-3mの灌木帯となり、両手で掻き分けるたびに枝葉から滴り落ちる水滴が顔にあたり邪魔をする。大峰への急登を登り、隣の泣坂ノ頭を過ぎた辺りでようやく雨が止んできた。写真左は登山口となった金竜寺の山門、中央は尾越山山頂、右は泣坂ノ頭


泣坂ノ頭からは100m余り急降下するが、唐松立への登り返しは急勾配となりワイヤーの下がる岩稜もある。ここを過ぎると一つ目の鉄塔となり、さらに登り続けると平坦な頂部となり2つ目の鉄塔の建つ唐松立となった。笹原の軽快な尾根歩きに続き、スズタケの中の急傾斜の登りとなる。道幅がありスズタケは気にならないが、傾斜のままに足を置くことになり、雨上がりの路面に靴はほとんどグリップせずストレスの多い登りとなった。それでもどうにか大樺ノ頭となると、木立の間からはガスに見え隠れする雁ガ腹摺山が顔を覗かせてくれた。そうなると歩きも自然と軽やかとなり、残りを一気に駆け上がり雁ガ腹摺山山頂となった。言うまでもなく富士山の絶景は無く、急がないと下山が日没になりそうなので早々に退散した。写真左は大樺ノ頭の手前のスズタケの急登、中央はこの日初めて見えた雁ガ腹摺山、右は雁ガ腹摺山山頂だが晴れていればこの位置に富士山が...


ここからは1500mの貯金を一気に吐き出すように下りながら、途中で3つのピークを少しばかり登り返すことになった。とにかく下り一辺倒な上に、雨上がりで滑りやすく何度も尻もちをつくことになったが、宮地山の手前では珍しいキノコのシシタケ(コウタケ)を見つけお土産とした。そんなこんなの4時間で車道に降り立ち、最後はライト片手に50分の一般道歩きでクルマに戻った。 写真左は姥子山近くの林道から見えた下山で辿る大垈山~宮地山の尾根筋、中央は大垈山山頂、右は登山道で見つけたシシタケ(コウタケ)

101010-11101010-11雁ガ腹摺山・権現山・扇山2