和名倉山(白石山)は山梨側から将監峠を経て登るルートが一般的で埼玉側のルートはいくつかあるものの未だマイナーなようだ。それでもネットで調べてみると仁田尾根からの山行記を散見することが出来る。条件さえ整えばこの時期でもピークを踏めると判断し真夜中の大洞林道を走った。この林道は舗装はされているが落石の多さは半端ない。半ばぐらいまでは杉の運び出しが行われていて片付けられてはいるが、その先はクルマの進行を妨げる障害物は端に寄せられてはいるが、大小の落石がゴロゴロ転がっていてスリルたっぷりだ。大洞橋のゲート前には24時に辿りついたがまだ雨が降っている。明日の天気予報がハズレることを祈り眠りについた。寝入って一時間ぐらい経っただろうか...コンコンと音がする。夢なのか? だろうな… それでもコンコンとまた音がしてる。えっ、まさか、こんなところで、、、と目を覚ましたら、夢じゃない。運転席の窓に明かりが見える。二人の男が立っていて、窓越しに何か言っている。ドアを開けると「どの沢に入るのか?」と聞く。「沢?」「はい」「沢なんて入らないよ。山に登るんだから」「あ、そうですか...寝てるところ起こしてすみません」 折角、残りのコーラにウィスキーを流し込み、ほろ酔いで寝入っていたのに、しばらくは寝付けなかった。6時に目覚ましで起き出し、トイレに外に出ると車が3台ある。そして3人の男が笠を差して立ち話をしている。釣り人なのだろうか、それにしても話しこんでいて動かない。お湯を沸かして朝ごはんを食べる間に雨足を確認し、ラジオの天気予報に耳を傾ける。外気温は3℃なので仁田尾根は雪なのは容易に想像が出来る。降雨から降雪の中で一気に1000mの高度差は、ルートも不明瞭ときたらどう考えても危険が多すぎる。7時、諦めて車を動かすと、後ろの3人がこっちを見ているのがドアミラーで確認できる。大洞橋の上で車を停め橋のたもとに目をやると、釣り人のみなさんへという立看が飛び込んできた。漁協とか、鑑札とかいう文字が書いてあるようだ。ここでピンときた。男たちは僕を密漁者と勘違いして張っていたのかもしれないと.....


ということで帰路に着いたのだが、どうしてもこのままで戻るとしたら残念過ぎるw 助手席を見たら道路地図が目に入った。お、クルマで近くまで行けそうな山が結構ある。雨が降っていてもこのくらいなら気にならない。城山、簑山、破風山、不動山、陣見山、金勝山と6山のピークを踏み、予想外の敗戦処理となった。写真左は熊倉城跡となっている城山山頂は植林地の中、右はどでかい金勝山の山名板