関東百名山のガイドブック(山と渓谷社)には袈裟丸山は標高1961mと掲載されているが、解説やルートマップは前袈裟丸山までしか紹介されていない。前袈裟丸山(1878)~後袈裟丸山(1910)~中袈裟丸山(約1900m)~奥袈裟丸山(1958)はルート的に厳しいので、このような対応になったのだろうか? 詳細は不明だが前袈裟丸山を袈裟丸山と呼ぶのが一般的らしい。ところで1961mのピークは一体何処かというと、奥袈裟丸山は3峰より成っていて、三角点のある中峰の標高は1958mで、最高点は北峰の1961mと言うことだ。これが袈裟丸山が、前袈裟丸山の1878mと奥袈裟丸山の最高点1961mの二つの標高をもつ理由らしい。今回は一般的に呼ばれている前袈裟丸山を袈裟丸山として登ってきた。


いつものように登山口での車中泊のため折場口に着いた夜半にはみぞれ混じりの雨となっていたが、天気予報では明日の天候は快晴とのことで安心して布団にもぐりこんだ。5時半に目覚ましで起き出したが、まだ月明かりがある夜明け前だったが雨は上がっていた。ゆっくりと身支度をしながら、コーヒーと焼きそばの朝ごはんを食べ出す。だんだんと空が白みだし、東の空が紅く染まってくる。何とも言い難いがとても幸せな時間なのだ。7時前に登山口の階段を上りだすが、直ぐに路面は白く変わり、雪上歩きとなった。つつじ平、賽の河原、小丸山と徐々に積雪は増し、小丸山で10cmとなっていた。小丸山からの眺めは最高で、西から北方向に袈裟丸山連峰から皇海山~日光白根山~男体山と日本百名山がワンショットの範囲内に納まってしまうのだ。写真左は小丸山山頂、中央は皇海山、日光白根山、男体山の日本百名山3座勢揃い、右は袈裟丸山連峰


小丸山から高度を下げ小さなピークを過ぎると色褪せた黄色いドーム型の避難小屋がある鞍部となる。ここからは袈裟丸山の斜面となり、次第に斜度を増した登りとなる。トラロープの垂れさがった急登を一登りすると稜線となり、雪の笹原を5分ばかり進むと頂上に着いた。樹木に囲まれた山頂からは南に視界があるだけで、ほとんど展望はない。積雪は20cm位だろう。には前袈裟丸山、下には袈裟丸山と書かれた山名板が立ち、微妙さ加減を表わしている。写真左は小丸山の先から見える袈裟丸山、鞍部の黄色い避難小屋、右は袈裟丸山山頂の山名板


時間に余裕があれば寄り道しようと思っていた二子山を目指し往路を忠実に辿り、小丸山と賽の河原の間から二子山へのルートに入った。踏み跡は薄いが稜線伝いに進めば迷うことはない。アップダウンの少ないほぼ平坦な笹原を進み、最後に緩やかな傾斜を上ると雑木に囲まれた山頂となった。木立の間からは南東の方角に草木ダムを望むことができた。往復50分で元ルートに復帰し、賽の河原、つつじ平を駆け下り登山口に戻った。写真左は小丸山、賽の河原の案内板裏の二子山への分岐、中央は二子山手前の稜線から、右は二子山山頂の山名板

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