ちょうど1年前に初めて太郎山に登ったが、その時は新薙登山口だったので、今回はもう一つのルートである山王帽子山側の山王峠から登ることにした。山王林道は通常は夜間通行禁止なのだが、な、なんと夜間どころではない、終日通行止めとなっていたのだ。ゲート前の路肩に車とデポし、まだ薄暗い中ゲートをくぐった。


単調な林道歩きを続けるうちに空は明るくなり、特徴的な形の山王帽子山が見えてくる。ゲートから45分で山王峠の登山道入り口となり、笹原の中の緩やかな登山道で始まるが次第に勾配は急になってくる。それでも高度上げるにつれて、男体山などの日光の山々が少しずつ視界に入ってきて登るペースを上げてくれる。そして山頂では始めてみる三角点を目の当たりにした。ここには固着岩石に[×]が刻まれた宮境界石なるものがあることを、山部さんの栃木の山283+で知ってはいたのだが、改めて目にすると嬉しくなる。写真左は山王林道通行止めの案内、中央は岩石に刻まれた三角点、右は山部さんの界標紹介文


ここから太郎山には150m余り下り、400m近くを登り返すことになるのだが、下り上りともに登山道はしっかりしていてペースを保てばさほどきつくはない。何よりも疲れを癒してくれるのは素晴らしい眺望で、右側の木立の間からは男体山が、そして後方には朝日を浴びた日光白根山がきらきらと見えている。これは小太郎山の山頂に立つと最高潮となり、360度の絶景へと変わる。写真左は小太郎さんから見た太郎山、中央は男体山と大真名子山、右は日光白根山、金精山、温泉ヶ岳


小太郎山からは太郎山の外輪山に連なる痩せ尾根を歩くことになるが、剣ヶ峰のプレートが下がる前後はかなりスリリングである。最後の岩場を上がると、右側には木立の間に火口跡のお花畑が見えてきて、新薙登山口からの登山道と合流すると間もなく広い頂上に着く。ここからの眺めも素晴らしく、特に男体山、大真名子、小真名子、女峰山の日光連山の眺めは見事である。火口がはっきりと見える男体山は、普段眺めている南側からとは違った趣がある。


戻りは同じルートをピストンしたが、ハガタテノ頭からは通行が規制されているハガタテの薙を下った。薙は中央付近で大規模な崩落があり、砂防工事の真っ最中だった。自己責任ということで下ってはみたものの、元々急傾斜であることもあり、とても安全な状況ではなかった。薙を下り終わると工事用の作業道が山王林道から延びていたので、登山道を離れて作業道を通り林道に戻った。

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