梅雨も明け、いよいよ夏山シーズン到来である。この夏のうちに群馬県内の高峰をピークハントしようと調べていたら、仙ノ倉山と谷川岳は尾根続きで縦走出来ることがわかった。問題はどちらから登るかで、谷川岳からだと早朝の出発だとロープウェイは使えず西黒尾根を登ることになるがかなりハードらしいw それで登山口は仙ノ倉山側の平標登山口と決めた。


夜中の12時過ぎに登山口となっている駐車場に着いたが、連休2日目ということもあり10台近くのクルマとテントが張られていた。小雨が降っていたが予報を信じ、目覚ましをセットして眠りについた。4時に起き出したけど外はガスっていて暗い。それでも雨よりはましだと身支度をして、一番乗りで登山口に入った。最初は車道に出るが、5分後には急勾配の登りとなり、松手山までの高度差650mはきついの一言だった。ここからも急勾配は続くが、次第にガスが晴れてくると前方には平標山へ続く登山道が笹原の中に見えてきた。後ろを振り返ると雲海の中に切り立った苗場山が見えている。ここで初めて自分が雲を突き抜けて雲海の上に出たことを理解した。こうなるとテンションは上がりぱなしであっという間に平標山の山頂についた。視界を遮るものは何もなく360度の絶景が広がっていた。


次の仙ノ倉山に向かってコルまで緩やかに高度を下げていくと身軽な人たちが先行していた。この人たちは仙ノ倉山までピストンして平標山に戻るのだろう。先が長いので、この人たちを足早に追い抜き、ニッコウキスゲが咲き誇る中を軽快に歩いた。何度かのアップダウンはあるけど、そのほとんどが緩やかなもので足に堪えるものはない。この間を40分弱で歩き仙ノ倉山に着いたがここから先に向かうのは僕だけだった。


仙ノ倉山から先は今までとは一変して痩せ尾根歩きとなる。まずはエビス大黒の頭の手前のコルまで急激に高度を下げるが、踏み跡を左右から伸びた夏草が覆い、路面を確認できないので一歩一歩慎重に下った。下りきったところにドーム型の避難小屋があり、沢を登ってきたという二人連れが起き出したところだった。なんとこの小屋で4人が一晩を明かしたのだと言う。うーーん、僕には無理だw エビス大黒ノ頭に登り返しすと、次の目標の万太郎山が遠くに見えてきた。眼下の鞍部まで約300mを下り400mを登り返すこの間は、歩く人が少ないのだろうか、夏草が生い茂りとても歩く難かった。


疲れもピークとなり、下りは膝も痛み出してきてペースが落ちてきた。登り一辺倒で、眼前に見える万太郎山が中々大きくならない。それでも歩を進めるが、山頂手前ではシャクナゲやツツジなどの灌木が道を覆いさらにペースを落とした。仙ノ倉山から3時間余りで、ほぼ行程の中間地点の万太郎山に着いた。ここでちょっと早い昼食をとりシャリバテの体にエネルギーを補充した。


万太郎山から先も大障子ノ頭、小障子ノ頭、オジカ沢の頭と大きなピークを越えて歩き続けたが、オジカ沢ノ頭への登りは本日一番の正念場だった。この先の谷川岳・肩の小屋手前の登りもきつかったが、ガスのために視界が無かったのが幸いしたのかそれほどのきつさは感じなかった。肩の小屋に着くと入口の前に大きな鐘がぶら下がっており、おもわず点鐘させてもらった。


いよいよ本日最後ピーク谷川岳オクノ耳、手前のトマノ耳までピストンして、ロープウェイのある天神平まで天神尾根を急いで下った。下り始めてすぐに感じたことは、下りで良かったということだ。余りにも急なのと、岩と石だらけで、こんなところ登るのは嫌だなという状況が二股まで続いた。二股を過ぎてからは勾配は緩くなり木道となるので軽快に歩くことが出来た。天神平からのはロープウェイで土合に降り、水上高原駅からはタクシーで平標登山口まで戻った。
山ランは松手山、平標山、仙ノ倉山、エビス大黒ノ頭、万太郎山、大障子ノ頭、小障子ノ頭、オジカ沢ノ頭、谷川岳、トマノ耳の10箇所でポイントをゲットした。

090720谷川岳縦走090720谷川岳縦走2
平標登山口(4:38)→平標山(7:08)→仙ノ倉山(7:46)→万太郎山(10:40-10:58)→カジカ沢ノ頭(12:53)→谷川岳(14:31-14:47)→天神平(16:24) 全行程11時間46分 GARMINデータより 距離:21.10km 累積標高:2704m 平均速度:1.8km/h