-14℃、竜頭の滝駐車場は今朝も冷え込んでいる。とは言ってもまだ暗い3時半のことなのだが、アプローチの長い山なので暗いうちに車道を歩いてしまおうとの魂胆なのだ。


3時45分、駐車場を歩きだし低公害バスだけが走れる日光市道1002号線に向かった。2週間前に大岳に登った時のアイスバーンもかなり減り、2日前の雪もタイヤで圧雪されていてストレスなく歩ける。1時間45分かかった大岳への分岐を1時間20分でクリアし、1時間35分で西ノ湖入口となるゲート前となった。例によってゲート先は雪道となっていたが、スノーシューのトレースが続いており硬く締まっていたのでつぼ足のまま歩いた。ほどなく廃林道(柳沢林道)への分岐となるとトレースは消え、空も明るくなってきたのでスノーシューに換えた。雪は良く締まり軽快に歩くと、木立の間からは宿堂坊山の東尾根上の1802Pが見えてきた。カーブミラーのところまで来ると林道は右へ急カーブする。曲がると柳沢川の流れと堰堤が目に飛び込む。堰堤の対岸が東尾根の起点となっていた。1802Pへの登りはかなり急勾配で、その先に見える尾根の方が勾配は明らかに緩い。ただ取り付きは見たところ結構の勾配で遠回りになることもあり、当初の予定通り東尾根に取り付くこととし渡渉点を探すことにした。近付いてみるとなんと川面は結氷し簡単に渡ることができた。写真左は西ノ湖入口のゲート、中央は結氷した柳沢川と堰堤、右は川面の氷に乗った状態


尾根の起点は急勾配で尾根筋は痩せ尾根となっているのでアイゼンに換えて6時20分に取り付いた。攀じ登るように上がるとシャクナゲの痩せ尾根となり小さな鞍部を2つ過ぎると本格的な登りになった。峡稜な尾根で雪はほとんど付いていない上に、夜明け直後で雪は良く締まっていた。ところが100mばかり登ると尾根は広くなり積雪が増えてきた。2日前の新雪もあり踏み抜き多発でペースが上がらなくなる。この先の1802Pまでそれなりの勾配ではあるがスノーシューの方が歩きやすいと判断し再び履き換えた。これで沈み込みは極端に減り、スノーシューを勾配に合わせヒールアップし登り続けた。しかし高度が上がるにつれて新雪が量を増し沈み込みが深くなってくる。ペースが落ちても歩き続けていればいつかは着くと言い聞かせて登り続けた。写真は取り付いた尾根、中央は痩せ尾根、右は1802P先の深雪


やっとのことで1802Pになると傾斜は明らかに緩くなってきたが、雪の量は益々増えプチラッセル状態となる。勾配が緩い分、どうにか前進は出来るが足は重くペースは一向に上がらない。それでももがき続け、取り付いてから3時間20分で宿堂坊山に立った。山頂には味のある山名板が多数下がっていた。残念ながら三角点は雪の下で確認は出来ない。展望は立木の中で良くないが、木立の間からは錫ヶ岳、白根山、三俣山を見ることができた。写真左は山頂の山名板、中央は白根山、右は木立の間に見えた皇海山

 110306宿堂坊山
戻りはトレースを追い順調に下ったが、取り付いた痩せ尾根を避け手前の斜面を下った。その後は柳沢川を渡渉し、往路を辿ってクルマに戻った。登り5時間55分(尾根取り付きから3時間20分)、下り3時間34分(尾根取り付き地点まで1時間15分)。写真左はスノーシューのトレース、中央は西ノ湖入口のゲート越しに見える1802P