南牧村の大仁田ダムを起点に登ることのできる三つの山に登ってきた。


烏帽子岳(1150m、十石峠)は大仁田ダムの先にあるクランクが登山口で、直ぐ手前に駐車スペースがある。沢に沿った登山道は次第に勾配を増し、何度か渡渉を繰り返しながら続いている。倒木やザレた斜面もあり気を使いながらの歩きとなるが踏み跡を見失うことは無い。ところがコルへの分岐を気付かずに郡界尾根まで上がってしまい、結局マルからコルを経て烏帽子岳となった。最後は岩場を左から巻き上げるような登山道だったが、特に危険なところもなく山頂となった。石の祠が祀られた山頂からは360度の絶景が広がっていた。戻りはコルから下ったが、終始トラロープの下がる急傾斜が続き足場も悪くかなりの悪路に難儀した。登り1時間20分、下り43分。写真左は沢沿いの登山道、中央は烏帽子岳山頂、右はこれから登り行く三ツ岩岳~大津


三ツ岩岳(1032m、十石峠)の登山口は大仁田ダムの本体直下にあり、そこには竜王の里宮が祀られている。治山工事中でダムサイトの遊歩道に迂回し、工事現場を遠巻きに通過し従来の登山道に合流した。直後に尾根コースとの分岐となり竜王大権現コースへ進んだ。スギの植林地の中の急勾配を喘ぎながら登ると竜王大権現となり、大岩を左へ巻きあげるように登るとやっと尾根筋となった。狭いところもあるが木立の中なので問題もなく、2つのピークを越えると三ツ岩岳となった。北側に開けた三角点峰だった。写真左は三ツ岩岳山頂、中央は三ツ岩岳から見た大津


大津(1050m、十石峠)は三ツ岩岳から稜線続きになってはいるが、山頂直下の岩稜が曲者で一般的なルートではないようだ。とは言ってもダムサイトから登り返す気にもなれず、行けるところまでと尾根コースに進路をとった。順調に分岐まで来ると、その先の尾根筋にはしっかりした踏み跡があり躊躇することなく直進した。だんだん尾根筋は狭くなりやがて岩稜となってきたが灌木があるため左程怖くは無い。小さな岩稜ピークまで来ると前方に大きな岩尾根が見えてきた。鞍部まで下りて尾根筋を見上げると登れないこともないが先が不安である。左側をみると岸壁に沿ってほぼ水平の踏み跡があり、とりあえず行ってみることにした。およそ30m位を進むと、岩壁の段差を上がる踏み跡があった。行くしかない、覚悟を決めて一気に取り付いた。灌木の根元を手掛かりに攀じ登ると、地形図のゲジゲジマークの上に出たようだ。その後も半端ない高度感の中を灌木に掴まりながら一歩一歩上がると、何のことは無い目の前に山頂標識が現れた。この位置はGPSを見る限り地形図上の1053Pではなくゲジゲジマークの直上である。それでも大津のピークに立ったことに違いは無いので、横手山移動の局と交信した後に確認の意味も含めて1053Pに向かった。行ってみるとそれらしきものは何もなく、急斜面を滑る落ちるように下り、スギからヒノキに変わる尾根筋に乗って沢まで強引に下降した。あとは沢伝いの踏み跡を辿り大仁田ダムに戻った。写真左は大津の岩稜でこの左を巻いた、中央は巻き道からの取り付き地点、右は大津山頂で後方は三ツ岩岳

竜王の里宮登山口←55分→三ツ岩岳←1時間12分→大津←1時間9分→登山口 全行程3時間49分